気象データを見ながら日々過ごしている、きりたんです。
今日はこれまでのブログとは趣向を変えて私自身のお話をしようと思います。
タイトルにもある通り、先日放送大大学院の入学試験に合格することができました。
ということで、アクシデントがない限りは2025年の春からは大学院生となります。
仕事はこれまで通り続ける予定です。
この記事ではなぜ大学院に行こうと思ったのか、放送大大学院である必要があったのか、入学試験で準備したことを書いていこうと思います。
なぜ大学院に行こうと思ったのか
私は職業は気象予報士です。
十数年前に大学を卒業して、さまざまな仕事を経験しつつ、約7年前から気象予報の仕事についています。
大学を卒業後、大学院に行きたいなーとはずっと思っていたのですが、仕事が忙しく、具体的なプランを考えることができず時間だけが過ぎていきました。
一昨年の出来事です。
気象予報の仕事の内容が少し変わり、季節予報を担当することになりました。正直季節予報の知識は皆無と言っていいほどでした。気象予報士試験で少しかじった程度です。
(多分多くの気象予報士ホルダーは私と同じなのでは?)
でも、素人では仕事にならないと思い、一生懸命勉強しました。
勉強していくうちに季節予報って奥が深いな、もっと勉強してみたいなと思い研究対象にしようかな。
と思いを巡らせているとき、
そうだ!大学院で研究すればいいんだ!
と考え大学院で研究したい熱が再燃し、早速季節予報に詳しい先生を探しました。
なぜ放送大大学院である必要があったのか
大学院に行こうと思い立ってから、大学院に在籍する何名かに直接メールをして事情を伝えてオンライン面接などもしていただきました。
私としては家庭がある以上、仕事はやめられない。
週1〜2でも通学は少しキツい。
できれば完全オンラインがいい。
という条件を伝えたところ、
「さすがに完全オンラインは無理だねー」
といずれの先生からも言われてしまい断念。。
仕事を続ける限り、大学院生は厳しいのだろうかと思っていたところある日、
放送大学の広告が目に止まりました。
ちょっと調べてみると、なんと放送大学には大学院があるということがわかりました。
そして、自然環境プログラムというものがあることも知り、
「いまの条件だと放送大がぴったりかもしれない」
と考えました。
過去の修士論文の題名を確認をして、数年前に気象関係の研究をされた方もいました。
これはいけるぞ!と思いましたね。
しかしこのときには翌年度の修士全科生募集は終わっていました。
ただ、放送大ではあらかじめ修士選科生や修士科目生として単位を取得しておき、修士全科生として入学する時には単位を概ね取り終えて研究に専念するという方が多いことがわかりました。
ということで、私も2024年度は修士選科生として放送大大学院に在籍し、2025年度に全科生として入学するという計画を立てました。
2024年、修士選科生としての生活
2024年度は合計14単位分のカリキュラムを受講しました。
修士課程を卒業するには30単位以上が必要です。
しかし、ただ30単位を取ればいいわけではありません。
放送大大学院には7つのプログラムがあります。
- 生活健康科学
- 人間発達科学
- 臨床心理学
- 社会経営科学
- 人文学
- 情報学
- 自然環境科学
プログラムの詳細はこちらをご覧ください。
各プログラムに関係する単位は最低8単位取得する必要があります。
修了要件(修士全科生)
修了するためには、2年以上在学し(在学年限は5年)、研究指導8単位及び所属プログラムの放送授業科目またはオンライン授業科目 8単位の修得を含めて30単位以上を修得し、かつ、修士論文の審査及び口頭試問に合格することが必要です。
ただし、臨床心理学プログラムにおいては、必修科目・選択必修科目があり、34単位以上を修得する必要があります。
自然環境科学に気象関連の科目があれば良かったのですが、皆無。。(放送大学の科目には気象学があるようです。)
そして、自然環境科学の他の科目も難しそうなものばかりでした。
大学時代に選択した(記憶がある)、地球科学や天文学の講義を受講することにしました。
また、卒業研究は8単位分なので、残り14単位分を別のプログラムに関係する科目で単位を取る必要があります。
正直気象と関係がない科目ばかりなので、自分がちょっとでも興味がある内容をチョイス。
修士全科生としては14単位取得できそうなので、2025年度は卒業研究以外の8単位を取得できればとりあえず終了要件を満たす、ということになります。
2年間で8単位なので研究に専念できそうです。
また、修士選科生でも学生証をもらえます。
学生証があると飲食店では安くしてくれるところもあるし、サブスクサービス、やAmazon、映画館などが学生料金で利用できたりします。
学割についての詳しいブログを紹介します。
この方は学部生のようですが、大学院生でも同じ学割特典を受けることができます。
研究内容を決めた話
ある夏の日のこと、私は大学の同期に誘われ、同窓会に参加しました。
そこで仲のいい友人Iくんとこんな話になりました。
来年から大学院に行こうと思ってんだ、試験合格したらだけど。
へえ、なんの研究するの?
季節予報の研究かな
季節予報もいいけど、乱気流の研究してくれよ。
うちで使っている乱気流予測が全然当たらないんだよ。。
あぁ、乱気流ねぇ
実は業務でも乱気流予測に携わるようになったため、心が揺れ動きました。
もともと学部時代は霧の研究をしていました(実はきりたんの名前の由来)。
同じ航空気象という分野なので、一貫性もあるし、日々の業務にも役立つと思い、考えた結果乱気流の研究をすることに決めました。
入試対策と入試当日
入学試験は2次試験まであります。1次は筆記試験、2次は面接です。
ちなみに過去3年分の入試問題は公式サイトに掲載されています。
1次試験
私が行った試験対策といえば過去3年分の試験問題を全て解けるようにすること。
たったこれだけです。
なぜこれだけしかやらなかったかといえば、3年分の試験問題を見てあることに気づきました。
これ、ほとんど試験問題の使い回しじゃん
自然環境科学プログラム、それも地球科学分野の問題に限っての話ですが、10問中8~9問は過去問から、1,2問は新規の問題という割合でした。
つまり、過去問さえ完璧に解答できれば、新規の問題がたとえわからなくても合格ラインには達するだろう。
そう考えました。
さて、ここで問題なのは過去問はあるけれど模範解答はない、ということでした。
そこで私が考えたのは
ChatGPTに解答を教えてもらおう。
私は社会人です。
普段は仕事をしていますから、まともな勉強時間はありません。
過去問全てをChat GPTに読み込ませて解答を教えてもらいました。
ただし、気をつけなければならないのは、必ずしもChat GPTは正しい解答を教えてくれないということです。
解答を教えてもらったあとはネットで調べてファクトチェックを実施しました。
間違った解答を覚えても意味がありませんからね。
試験対策は1ヶ月くらいだったでしょうか。
1次試験は10月5日でした。
私は東京にある文京学習センターで受験しました。筑波大学東京キャンパスと併設されていて中は結構きれいです。
試験問題の内容は…予想通り1問目が新規の問題、残りの9問が過去問でした。
新規の問題も過去問の類題だったこと、そして一般気象学の序盤で出てくる惑星大気の問題だったため解答することができました。
小倉先生、ありがとう。。
そして11/2、1次試験の結果が届き、見事合格することができました。
2次試験
合格通知の封筒には2次試験の通知も入っており、試験日程は11/16の午後と指定されました。
2次試験の内容は研究計画について10分程度で試験官に発表する形式です。
自然環境科学プログラムはZoomを使っての試験なので、自宅で受験することができます。
特に試験対策はやっていませんが、願書提出の時に作成した研究計画書の内容を簡潔に話せるように練習しました。
1次試験ほどは時間はかけませんでした。
そして、12/22。
無事合格通知書を手にすることができました!
来春からの大学院ライフを楽しみたいと思います。
ということで、放送大大学院に関する情報もこれから発信していく予定ですので、楽しみにしていてください。